3月10日のニュースから。
新型コロナ、世界の死者4千人超 WHO、感染防止諦め警戒
【ジュネーブ共同】各国政府の発表によると新型コロナウイルス感染症の死者が10日、世界全体で4千人を超えた。中国で3136人、イタリアで463人、イランで291人が確認された。中国は沈静化の傾向だが、欧州や米国で感染が急速に広がっている。
感染者が100を超す国・地域に広がる中、世界保健機関(WHO)がなお「パンデミック(世界的大流行)」表明を避けているのは、流行阻止が不可能という意味合いを持つ用語であるため、各国が感染防止への取り組みを諦める事態を警戒しているからだ。
WHOが現行規定上「パンデミック」を使うのは、封じ込めを目指さないインフルエンザのみ。(共同)
共同通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200310-00000064-kyodonews-soci
イタリア・ミラノは中国人だらけの町?
新型コロナ感染者、イタリア北部が欧州でも突出して多い理由は…
【断末魔の中国】日本の外務省は1日、イタリアに対する「感染症危険情報」のうち、北部のロンバルディア州(州都・ミラノ)、ベネト州(州都・ベネチア)、エミリア=ロマーニャ州(州都・ボローニャ)の3州について、不要不急の渡航を自粛するよう呼びかける「レベル2」に引き上げた。
イタリア保健省が前日、同国の新型コロナウイルスの感染者が1000人を超え、死者が29人になったこと、感染者が北部3州に集中していると発表したことによる処置だと考えられる(=2日時点で、イタリアの感染者は2036人、死者は52人)。
欧州各国のなかでも、イタリア北部に突出して感染者と死者が多い理由は、およそ想像がつく。この地域は、1990年代以降、中国人移民が激増していった。
「水の都」ベネチアでは、欧州系ハイブランドのショップを除き、バッグなどの革製品を並べるショップの多くは、中国人による経営だ。中国系企業が、中国人労働者を雇い、イタリア現地で製造販売する「メイド・イン・イタリー・バイ・チャイニーズ」のビジネスである。
イタリア第2の都市で、「ファッションの街」として世界的にも名を馳せる商業都市ミラノも、この十数年で、中国系移民が激増した街として知られる。一部の通りは、中国製の繊維類やアクセサリー類の卸問屋が軒を連ね、運搬で付近の道路が大混雑するなど、摩擦が日常化していた。
ミラノでは、ある“異変”に、住民が大変なショックを受けた。
8年前の話だが、市役所の住民登録簿に登録されている「名字」に関する新聞報道だった。上位10番以内に、中国系の名字が3つ入っていたのだ。1位は典型的なイタリアの名字ロッシ、2位はHu(胡)、8位がChen(陳)、10位はZhou(周)だった。
エミリア=ロマーニャ州と接するトスカーナ州(州都・フィレンツェ)には、プラートという街がある。繊維産業が集中し、ファッションの街ミラノを事実上支える、世界的な拠点である。
同地には、古くは80年代から、主に江蘇省温州からの中国人の移住が進んだ。数年前には、市長が「街の人口の3分の1が中国人になってしまった。われわれは国境のない中国と闘っている」と語ったことも報じられた。
すなわち、イタリアのファッション業界は、中国マネーと中国系労働者に支えられているのだ。
クリスマスシーズンの12月以降、旧正月(=2020年は1月25日)の時期まで、中国人労働者のイタリア⇔中国の“往来ラッシュ”が続いた。
とすると、帰省先で中国各地に拡散されつつあった新型コロナウイルスに一部が感染し、自覚症状がないままイタリアへ戻ったことで、イタリア北部に新型コロナウイルスが拡散されてしまったのではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体-脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
夕刊フジ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00000004-ykf-int
ミラノ以外でも・・・。
■教会での葬式も自粛
一方、ヨーロッパでも感染が広がっているが、感染者のほとんどは北イタリアに滞在した人で、中国とのつながりがない人々である。
イタリア感染者第1号は、ミラノから50キロほど離れたコドーニョに住んでいる。これまで大きな見出しになることもなかった人口1万5000人の街だ。
2月中旬、ここに住む健康な38歳のスポーツマン(通称マッティア)が、体調を崩して3回病院に行ったが、病院側は、中国と何のつながりもない若い男性が、まさか新型肺炎を発症していると思わず、3回も風邪と診断した。その間、当然、何の対策もしていなかった男性は、妊娠8カ月の妻やジョギングを一緒にする友人、近所のバールの客、病院関係者、入院患者へウイルスを拡散させ、死者まで出してしまった。
そしてウイルスは北部イタリアからヨーロッパ全土へ広がっていった。マッティア自身は集中治療室に入院中で話せる状態ではなく、その妻が、
「もしかしたら中国出張に行った友人と、夫が食事をしたかもしれない」
と思い出したが、感染源については未だに判明していない。コドーニョには中国人数人がいてウイルス検査結果は陰性だった。それにもかかわらず、当初は感染源なのではないかと、相当疑われたという。
ウイルスは、ヨーロッパの日常生活の習慣をも変容させている。挨拶として抱擁したり、キスをしたりするスキンシップは、南欧で親しみを示す文化だが、このウイルスではリスクになる。
今の状況を皮肉って、TVBOYというストリートアーティストが、イタリア人画家フランチェスコ・アイエツ(1791~1882)の情熱的なキスを描いた《接吻》の恋人たちにマスクを着用させ、《新型コロナ時代の愛》と題した作品を作り、SNS上で話題を呼んでいる。
影響はイタリアのキリスト教の習慣にも及んでいる。カソリックの「聖体拝領」という儀式では、神父がキリストの体を象徴する薄い紙のようなパンを信者の口に入れるが、コンタクトを避けるように、という指針が出され、この儀式はおろか、ミサ中の信者同士の握手も取りやめになった。
キリスト教徒にとっては現在、復活祭前の重要な時期だが、ミサそのものを取りやめてネット配信にしたり、教会での葬式でさえも信者に自粛要請している地域があるという。
習慣や文化をも変質させてしまった今回の新型コロナウイルスは、ヨーロッパ各国に伝播し、さらなる感染拡大の様相を見せている。その計り知れない影響は、今後、社会生活のどこまで及ぶのか、想像もつかない事態に陥っている。
エッセイスト 大野ゆり子
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200305-00546599-fsight-int
対策は?
院内感染から学ぶイタリア、病院前に「選別用テント」設置 新型コロナ
【AFP=時事】欧州の新型コロナウイルス流行の中心地となっているイタリアでは、病院の前に青いテントが設置され、ナイロン製防護服にマスク、ゴム手袋を身に着けた大勢の医療関係者が患者を受け入れている。(中略)
急きょ設置された野戦病院さながらのテントは「トリアージ(選別)」室となっており、発熱またはインフルエンザに似た症状のある患者は、ここで新型コロナウイルスの検査を受ける。
イタリアはこれまでの複数の過ちから速やかに学んでいる。
過ちの一つは、「患者第1号」というコードネームで呼ばれる男性(38)が肺炎を発症していたにもかかわらず、病院での治療中に一度も隔離しなかったことだ。その結果、男性は知らず知らずのうちに他の複数の患者に感染させた。
イタリアでの感染者は3000人超、死者は107人に上るが、その圧倒的多数は2月に感染が確認された「患者第1号」に関連している。
このような院内感染を二度と起こさないため、野戦病院さながらのテントと、ほぼすべての救急患者に備える大勢の医療関係者が配備された。
北部クレモナ(Cremona)にある病院の救急責任者アントニオ・カゾッリ(Antonio Cuzzoli)氏は、「高熱があったり、呼吸が乱れていたり、1分間に20回以上という異常呼吸をしていたりする患者は、直ちに緊急区域に送られる」とAFPに説明した。
こうした重症患者は、徒歩またはストレッチャーで指定された緊急治療室に移される。緊急治療室前の地面には、絶対に他の患者が近づくことのないよう、赤い線が引かれている。
政府はこれまでに、約350のテントを設置した。
先月「患者第1号」を特定することに成功したミラノ(Milan)にある生物医学研究所(Biomedical Research Institute)の医師団を率いるマッシモ・ガッリ(Massimo Galli)氏は、「感染症の専門家として42年間働いてきたが、医療組織体制全体の見直しを迫られる事態に直面するのは初めてだ」とAFPに語った。
イタリアでは、クレモナと同様、各地の病院前にテントを増設していくことで、さらにいっそう思い切った措置を取るという事態を回避できる可能性が高まるのではないかと期待されている。【翻訳編集】 AFPBB News
AFP時事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200305-00000031-jij_afp-int
イタリアはSNNという医療制度があります。
医療費はほぼ無料。
まず地域のホームドクターに診察してもらえるように予約し、そこから専門医に紹介してもらうか、検査してもらうか、何もしないか、ホームドクターに指示を仰ぎます。
日本のように、好きな病院で診てもらうというわけにはいかないんですね。
ホームドクターが大丈夫といえばそれで終わりになってしまいます。
もちろん、早急に診てもらいたいとか、どうしても調べてほしいとか、そういう場合には、日本でいう自由診療(自費診療)のような、高い医療費を払えば、診てもらえる病院はあります。
記事にあった38歳の男性も、ホームドクターにかかって、新型コロナウイルスに感染したことが判明しなかったのかもしれません。
他の医療費無料の国でも、新型コロナウイルス関連の話ではないですが、普段と様子が全く違って大丈夫じゃないのに検査してもらえなかったとか、専門医に紹介状をなかなか書いてもらえないとか書いている記事をいくつか見かけました。
医療費無料というのは大変すばらしいように見えて、なかなか欠陥があるようにも思えます。
先進国といえば大抵少子高齢化となっています。年齢を重ねるほど、さまざまな病気にかかるリスクも怪我をする可能性も高まりますから、医療費が増大する傾向にあります。少子化の影響もあって、国の財源にも限度がありますし、人口の多い先進国で医療費を無料にすることは、もはや限界が来ているのではないでしょうか?
概ね医療費無料とされている国では、イタリアのみならず、こういうことが起きてしまう可能性があるのではないかと思えてなりません。
特に、イタリアでは、財政赤字の対策として、ここ5年で、760もの医療機関の閉鎖を行ってしまいました。
中国の習近平国家主席は10日、新型コロナウイルスの発生以来、初めて武漢市に入った。武漢市では、一日の感染者数の増加が19人にとどまっていて、習主席は事実上の終息を内外にアピールした。一方、世界的な流行は収まる気配がない。イタリアの感染者数は韓国を上回り、中国に次いで世界2番目の多さとなった。死者もこれまでに400人以上に上っている。ミラノを含む北部都市は8日から封鎖されているが、コンテ首相は9日、封鎖を国内全土に広げると発表した。仕事など、やむを得ない移動は許可されているが、10日から来月3日まで、集会やスポーツの試合もすべて禁止される。各地で混乱も起きていて、受刑者と家族の面会が禁止された刑務所では、20カ所以上で受刑者家族を巻き込んだ暴動が起き、6人が死亡した。イタリアで感染拡大が進んだ理由の1つに、医療スタッフの不足がある。フランスのレゼコー紙によると、イタリアでは財政赤字の削減のため、過去5年の間に約760の医療機関が閉鎖していて、医師5万6000人、看護師5万人が不足しているという。
テレ朝ニュース
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000178637.html
医師や看護師をはじめとする医療関係者だけではなく人工呼吸器も足りず、医療崩壊の状態を呈しています。
イタリアで、新型コロナウイルスの感染が急激に広がっている。ジュゼッペ・コンテ首相は、3月9日、北部のみに限定してきた移動制限を、10日からイタリア全土に拡大することを発表した。仕事など正当な理由がある場合のみ、移動が許可されるという。
イタリアの感染者数は9000人を超え、死者の数は中国に次ぐ世界第2位となっている。コンテ首相は「イタリアの将来は私たちの手にある。私たちは今まで以上に責任を持たねばならない」と宣言した。
9日、イタリアの保守系メディア『イル・ジョナーレ』に、「すべての患者に挿管はできない。60代以上は無理だ」というタイトルで、ミラノの医師のインタビューが掲載された。
医師は、現在患者におこなっている処置について、「エイズ用のウイルス薬などを投与していますが、うまく効くかはわかりません。できることは人工呼吸器の挿管です。患者の肺を休ませ、免疫が復活するのを待つだけです」と話す。
だが、急激な感染拡大により、人工呼吸器が足りなくなっているという。
「これから挿管する人を選択する必要があります。若い人や、他に症状のない人を選びます。ニグアルダ(ミラノの地区)の他の大病院ではもはや挿管もしません」
患者が多すぎて、すでに60代以上の患者には人工呼吸器さえ使えなくなっているというのだ。WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、9日の会見で「パンデミックの脅威が現実味を帯びてきた」と発言している。感染拡大が止まらなければ、日本でも「命の選別」が現実味を帯びてくる。
SmartFLASH
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200311-00010003-flash-peo