上と下がわからない。めまいが治った方法




右も左もわからないと言いますが、

私の場合は、上と下がわからなくなりました。

あるときあまりにもめまいが酷くて、立ち上がれなくなったのです。

天地がわからないから、どっち方向に動けばいいかわからなくてパニックになりました。

当時はまるで雲の上を歩いているようなフワフワした感じと、まるで船に乗っているかのような足元のおぼつかなさ、そして船酔いのような気持ち悪さがあり、まっすぐに歩けないことも多々ありました。

けれども病院に行っても何か病名が付くわけでもなく、治療法が提示されるわけでもありませんでした。

一体何件の病院に行ったかわかりません。

精神科を勧められたこともあります。いわゆる不定愁訴という判断だったと思います。

でも、精神科に行って薬をもらっても状況は悪化するばかり。精神科の薬が合わず、余計に気持ち悪くなり、以前にも増して動けなくなってしまいました。

このまま病院に行っても治ると思えない・・・絶望した私は病院に行くのをやめてしまいました。

そんなときにたまたま訪れた薬局で勧められたのが漢方薬でした。

実はそれまでにも漢方薬を飲んだことがあったのですが、何一つ改善がなかったので、こんなものはまやかしだと信じていませんでした。ところが、このときに効果を感じるまでの時間は決して長くはありませんでした。

漢方薬というのは、体質に合っているものであれば、何らかの変化を感じるまでにそれほど時間がかかるものではないのだそうです。

ただし、長患いになってくると、骨折したまま動き回って悪化しているような状況になっている可能性があり、そうした場合は改善までにそれなりに時間を要することもあるようです。

しかし、漢方薬は体質に合うものでなければ何年飲んでも効果が表れません。万人向けの西洋の薬と違って、漢方薬は、対象となる人の幅が狭いことも特徴的です。

私に勧められたのは苓桂朮甘湯という漢方薬でした。

“りょうけいじゅつかんとう”と読みます。

この名前は構成する成分の頭文字から取ったようです。

苓・・・茯苓(ぶくりょう)
桂・・・桂枝(けいし)
朮・・・白朮(びゃくじゅつ)
甘・・・甘草(かんぞう)

水分の代謝を良くする漢方薬です。

漢方薬は、湯が名前につくものは、基本的に湯とともに飲むのが良いとされています。

食前30分程前か、食後2時間~3時間後に飲むのが良いとされています。

病院で出される漢方薬は大抵粉薬ですが、市販薬だと粉薬だけではなく錠剤もあります。薬の形状で効果が変わることはないようです。

ただし、漢方薬だからと言って安全ではありません。健康食品ではなくて、医薬品です。

例えば、甘草という成分は血圧上昇などの副作用が知られています。
高血圧、心臓病、腎臓病という診断を受けた方、その他アレルギーや既往症など心配のある方は服用前に専門家と相談してください。

何より、漢方薬が合うかどうかについても一度専門家に確認したほうが良いと思います。

今の私は、あれは何だったんだろう?と思うくらいめまいを感じることはなくなりました。たまにありますが、それほどの酷さではありませんし、薬があるから大丈夫と落ち着いていられます。

私の場合、1年くらいは継続して薬を飲んでいたように思います。薬を飲めば改善するけれど、やめればぶり返すという状況を繰り返していました。10年近くフラフラ、フワフワしていたので、もう大丈夫という状況に至るまでにそれなりの時間を要しました。

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